酒量と睡眠と夢

咽頭ガンの手術から1年5カ月ほど経った。

妻の主張では、今後のガン再発防止のためには酒量が大敵だということになっている。従って、酒を飲む量は手術後には大きく減った(減らされた)。私が下咽頭ガンの早期発見ができた理由には、妻の助言が大きく影響していると以前ここに書いた。従って、ここは妻の言いなりにならざるを得ない状況である。

ところで、下咽頭ガンになる確率はデータ上3万人に1人で、原因は喫煙と飲酒だとされている。私の場合、タバコはやめてから何十年も経っていたので、あとは必然、毎日欠かさず人並み以上に飲んでいた酒量を減らすこと、、ということになる。

そんなわけで、酒量が大きく減った。手術後はしばらく全く飲まなかったが、最近では一週間に1~2度、ワインをグラス2杯程度か、缶ビール一本になっている。そういう飲み方が慣れてくると、酒にもだいぶ弱くなってきたように思う。(以前はどちらかというと酒には強い方で、晩飯時には、取っ手付きの焼酎の4ℓボトルが常に手元にあった)。

そして、私の場合に限ってかもしれないが、酒量が減ったおかげで、寝つきが悪くなった。一時間くらい寝付かれない状況が頻繁にある。昔は(=つまり毎日だが)酒を飲んでベッドに入れば、3分と持たずに寝付いていたものだ。

酒を飲んで寝ると、寝付きはいいが、実際には熟睡できていないという話は聞いたことがある。しかし、自分の場合はこれは当てはまらないのではないかと思う。酒を飲まずに寝ているせいでどうも眠りが浅いような気がするのだ。

そして、よく夢を見るようになった。

夢の内容についてあまり詳しく書くつもりは無いが、他愛のない夢ばかりで、何かをやろうとしているのだが、なかなかうまくいかないといったような、寝覚めがスッキリしない夢ばかりである。夢とは元来そういうものだ。

しかし、最近は夢の内容を一生懸命思い出すのも結構楽しい作業になっている。夢の登場人物には、自分の他に、大体身近でもう亡くなっている人が出て来るケースが多い。自分の潜在意識に、こういう人も出て来るのかと、少し楽しみにもなる。

ガン再発予防に酒量を減らして、夢を見ることが増え、その夢を一生懸命思い出して楽しんでいるという、なんともオチのない話である。