民主主義の危うさ

難しい話はあまり得意ではないし、このブログの趣旨ではないのだが、最近気が付いた事があるので、ちょっとメモってみたい。

 

民主主義とは、文字通り民、つまり国民に主権があることである。

さて、アメリカの民主主義で選ばれたトランプ大統領が、政治の中心から去った。

民主主義は最後には多数決だから、選挙で選ばれたトランプは、どんなに最悪の大統領だったとしても、自身は4年後の選挙まで地位が保証され、絶対的な権限も維持できていた。それが民主主義の仕組みである。

問題は、最後にトランプが自分で民主主義の選挙結果を覆そうとしたことである。

一度は民主主義で選ばれたトランプが、民主主義の象徴である選挙の投票結果を無視して、大統領に居座ろうとした。つまり、民主主義を壊しかけ、ヒトラーになりかけた。演説で巧みに大衆を扇動していた点では、ほぼヒトラーと同じであったかもしれない。

民主主義の一つのの欠陥はポピュリズム大衆迎合)であるが、大衆が間違った方向に扇動されると独裁政治が生まれる。

トランプに投票した75百万(?)の人ははたしてどうだったのか。

民主主義下では、選挙に敗れれば次の選挙を目指せばいい。あのトランプさんも、(実際どうなるかは別として)自分を応援してくれる聴衆を前に何らかの形で戻ってくるようなことを言っていた。

民主主義国家は正当な選挙制度が守られるかぎり、自浄作用がある。だが世界にはそうでない国々もある。

中国のように、反対勢力を無条件に拘束・逮捕する国があるかと思えば、ロシアのように、邪魔な人間を毒殺しようとしたりする国があるのだ。北朝鮮の場合は自分の兄を殺してしまった。

ミャンマーでは、軍が民衆を圧制している。

つまり、一党支配あるいは独裁の国は、倒れたら大変だから(次がないから)体制を保持するために何でもやるしかないのだ。

倒れた瞬間に抹殺されるかもしれない。それしか方法がないのだ。

 

ところで、我々日本人は民主国家、日本に生まれてよかったと思っている。

しかし、最近「民主主義指数」という数字を見て私自身は結構ショックを受けた。

因みにこのデータは毎年イギリスのエコノミスト誌のリサーチ会社が毎年発表しているものであり、Whikipediaに掲載されているので、詳しくはそちらを参照されたい。

民主主義指数 - Wikipedia

その中で、日本はなんと「欠陥のある民主主義体制」というカテゴリーに分類されている。民主主義指数は世界で24位、アメリカの一つ上、韓国の一つ下である。

因みに、北欧の国々が「完全な民主主義」という区分で上位を独占しており、オーストラリアやニュージーランドもここに入っている。

勿論、「独裁政治体制」のカテゴリーでロシアは135位、中国は153位となっており、北朝鮮は最下位の167位である。そして167か国中、54か国が「独裁政治体制」と分類されている。(注・このデータは批判、注釈付きである)

その根拠となっている指数は、①選挙過程と多元性、②政府機能、③政治参加、④政治文化、⑤人権擁護のカテゴリーであるが、日本は③と④が比較的に低い点数になっている。

なんとなくわかるような気がする。

以上。