久しぶりに大感動だった。
スポーツで感動するシーンは多々あるが、これほどの感動は久しぶりである。
4年間という歳月をこの瞬間の為に全てをかけてきたアスリートにとって、失格という事実は、大きな衝撃だったろう。
沙羅チャンの気持ちは、勿論、他人にははかり知れない。
だが、泣き崩れたあとでも、中継カメラに向かっては、きちんと挨拶をする立ち居振る舞いは素晴らしかった。
そして、2本目である。
普通の人間なら逃げだしたくなるところだ。
だが、沙羅チャンは「最後まで飛びます」と二本目のジャンプ台に向かった。
そして、ジャンプ台でスタートの合図を待つ沙羅チャンの顔をカメラがとらえた時、ゴーグルの奥には、鬼気迫る沙羅チャンの力強い眼光があった。
この目が本当にすばらしかった。まさに、アスリートの鋭い眼光が戻っていた。
なんと心が強いんだと思った。
2本目のK点越えジャンプが終わった後、涙でカメラに向かって深々と頭を下げた光景は印象的だった。
3位のカナダチームには僅かに追いつけなかったが、日本のジャンプチームも沙羅ちゃんの気持ちを思い、よく奮起してくれた。結果的には、8本飛んだチームに7本で勝負できていたのだ。
勿論、ルールは今後きちんと検証する必要があるだろう。
沙羅チャンと日本のジャンプチームには、メダルよりも重いもの、暖かい心と、アスリートの意地を見せてもらった。
高梨沙羅選手の今後の活躍を期待したい。
追記。
昨日、上記のブログを上げた後、高梨選手が、謝罪文をインスタグラムに上げた。
沙羅チャンらしい、きちんとした真摯な文章で、こちらも涙を誘うものだったが、その中で、次の文が気になる。
「今後の私の競技に関しては考える必要があります」
何を意図しているのか測り兼ねるが、あまり深く考えないでほしいと思う。
繰り返しになるが、
あの2回目のジャンプの時の沙羅チャンの眼の力は、自分に起きた不条理をはねつける力が確かにあった。それは今後の沙羅チャンの競技人生に大きな力となるだろう。