アメリカの砂糖壺が壊れそう

私は以前、このブログの初めの方(古き良き時代のアメリカ 心象風景)でアメリカの人々の状況は人種の砂糖壺のようだと言った。

つまり、白人も黒人もヒスパニックも、完全に混じり合うことはなくても、お互いの多様性を受け入れ、国としては一つの砂糖壺としてまとまっている状況だったと思うのだ。

しかし、最近のアメリカを見ていると、それがどうも怪しくなっている。まるで、砂糖壺が分解してしまいそうな様相である。

その張本人がいる。本当にこれが、民主主義をリードしてきた大国アメリカのリーダーなのかと思う。

トランプ大統領のことである。今やライバルに対して、誹謗中傷、ウソだらけの言動は聞いている方がうんざりしないのだろうか。アメリカ人はよくこの人に、自分たちの国を一旦は任せると判断したものだ。

そして、正体がばれても、なお、あと4年も、任せようとしている人々がいることにも驚きである。

トランプの政治はけっしてアメリカファーストだけではない。その裏には、完全に、自分ファーストで、自分が全て正しいという、自己中心主義、自分の都合だけの政治が見え隠れしている。この人はそういう生き方をしてきたのだ。

人間は70歳を超えたら、そうそう自分の生き方を変えられるものではない。

人を選んでは、意にそぐわないと平気で切り、国民に対しても、自分の都合のよいウソをつき続け、民衆の対立を煽っている。

それでもついていく人、ファンがいる。そしてそれが、これまでにないアメリカの分断を生んでいる。

この、トランプ対反トランプの選挙戦も終盤に入った。

黒人が奴隷としてアメリカに来たのは1619年だそうだ。そして、白人がマイノリティーに陥落したのは1940年代だと聞いた。

今、トランプの登場によって、分断と対立が鮮明になったアメリカがどこへ行くのか、あと少しで結論がでる(?)。

その昔、アメリカで都合11年も暮らしたことのある自分にとっては、大いに気になるところである。